手放すということ 2
生まれたとき、独り。
死ぬとき、独り。
だから生きている間だって、独り。
・・・とはいえ、現代人はみな強烈な孤独の中に生きています。
20世紀最後の数十年に起きた通信革命は、テレビの衛生中継などを通して遠隔地の人々の暮らしを身近なものにしました。
これまで知られていなかった、世界のいたるところで依然として貧困と飢えに苦しみ、死にゆく人々がいまもいる。
人類が体験していることは、先進諸国の人々が思い描いていた理想の楽園からはほど遠いと思い知らされたのです。
さらにこの時期、同じことは個人生活のうえにも影響を及ぼします。
留守番電話、携帯電話、メール・・・。
次々と繰り出されるこれらの通信革命のなかで、人々はそれまで確保できていた個人の時間と空間をお互いに侵しはじめます。